フィンランドのクリスマス | フィンエアー
Blue Wingsストーリー

フィンランドのクリスマス

サンタクロースの故郷として知られるフィンランド。このクリスマスの本場では、そのひとときをどのように過ごすのでしょうか。家族の集う暖かいクリスマスの様子をお伝えします

Kaori Kyppö, Cabin Crew at Finnair

〜クリスマスがやって来る〜 

10月も後半に入ると、お店にはクリスマスのデコレーションやプレゼント向けの商品が並び始めます。同時に日照時間も短くなるので、庭や窓にクリスマスの置き物やイルミネーションを飾る家も増え始め、街の雰囲気は一気にクリスマスモードに。 

また本番のクリスマスに先駆けて、職場や学校ではPikkujoulu(ピックヨウル/小さなクリスマス)と呼ばれる小さなクリスマスパーティーが開かれます。その様子は少し日本の忘年会に似ているかもしれません。クリスマス料理をいただき、プレゼントの交換などを楽しみます。

(c) Torikorttelit 

12月には、あちこちの教会でクリスマスコンサートが開かれます。合唱団のクリスマスコンサートを聴きにいけば、クリスマス気分が盛り上がります。また、聴くだけではなく参加者が一緒に歌うKauneimmat Joululaulut(カウネインマットゥ ヨウルラウルットゥ/最も美しいクリスマスソング)というイベントも開催され、伝統的なクリスマスソングを大勢で歌います。歌が上手でなくても大丈夫。そこにいるだけでも温かい気持ちになれるから不思議です。 

  

〜いよいよクリスマス〜 

フィンランドらしいクリスマスの飾りの一つはPiparkakkutalo(ピパルカックタロ/ジンジャーブレッドハウス)。スパイスたっぷりで固く焼かれたクッキーでお菓子の家を作り、クリスマスの期間中、家に飾ります。 

クリスマス1週間ほど前になると、クリスマスマーケットやスーパーマーケットの駐車場などでクリスマスツリーの販売が始まります。本物の木を使うので、温かい部屋の中で飾れる時間は日本より短くなりますが、本物の木のクリスマスツリーには、作り物にはない温かみをもたらしてくれます。フィンランドでは、この日のために育てられたトウヒの木がクリスマスツリーとして用いられます。田舎では、家の裏で適当な大きさの木を切ってそのまま使うことも。

フィンランドでは12月24日から26日までの3日間を家族で過ごします。その中でも24日のクリスマスイブは特別です。この日はクリスマスツリーの下に交換するプレゼントを並べて、クリスマスの料理を楽しみます。フィンランドのクリスマス料理のメインは豚肉のハム。家族で取り分けて何日も食べるので、その大きさは平均5キログラムともいわれてます。低温で何時間もかけてじっくり焼かれるハムはほんのりと塩味があり、しっとりとした仕上がりで、フィンランドの少し甘みのあるマスタードがとても良く合います。 

もう一つのクリスマスの代表的な食べ物はRiisipuuro(リーシプーロ/お米のおかゆ)。”おかゆ”といえば、日本人にも馴染みのある食べ物ですが、このフィンランドのクリスマスのおかゆは一味も二味も違います。なんと、お米を牛乳で炊くのです。甘味があり、器に盛り付けてからシナモンを振りかけていただきます。お食事というよりはおやつのようです。食べるときに、器の中にアーモンドを見つけられた人はラッキー。皆に盛り分ける前に鍋の中に一つだけアーモンドを隠しておき、それを食べられた人には幸運が訪れると言われています。 

また、テレビではフィンランドの西部の街トゥルクで行われるイベント、Joulurauha(ヨウルラウハ/クリスマスの平和)が中継され、これを見ることでクリスマスを感じるフィンランド人も多いようです。まるで日本の大晦日の「ゆく年くる年」のようですね。子どもたち向けにはJoulupukin kuuma linja(ヨウルプキン クーマ リンヤ/サンタクロースホットライン)という番組があります。この番組では子どもたちがサンタクロースに電話をしてお話しすることができます。かわいいですね。 

〜サンタがやって来る〜 

フィンランドではサンタクロースはドアをノックして子供たちにプレゼントを手渡ししにやって来ます。サンタクロースを演じるのは家族の中の年かさ男性や、ご近所の方など。1年間ちゃんと良い子にしていたらプレゼントをもらうことができます。サンタさんに会えるなんて、うらやましいですね。 


〜家族でお墓参りへ〜 

フィンランドではクリスマスは家族の大切な日。家族揃ってご先祖様の墓地へ足を運び、キャンドルを供え、お墓の中にいる家族へ思いを馳せます。クリスマスの墓地は、雪景色にたくさんのキャンドルが灯りとても幻想的です。 

フィンエアーでは、サンタクロースが住んでいるラップランドの街、ロヴァニエミまで、ヘルシンキ空港からの便を毎日運行しており、日本からも快適に旅をすることができます。フィンランドにお越しの際には、大人の読者の皆様も童心に返って、サンタクロースに会いに行ってみてはいかがでしょうか。 

  

皆様も素敵なクリスマスをお過ごしください。 


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