魅力的なポルヴォーの街で、フィンランドの多様な文化、料理、美しい自然を堪能 | フィンエアー
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魅力的なポルヴォーの街で、フィンランドの多様な文化、料理、美しい自然を堪能

フィンランドのポルヴォーは、ヘルシンキから1時間足らずで行ける小さな街。素晴らしい自然景観の中で、豊かな歴史や芸術、地元の美食などを満喫できます。ここには、日帰り旅行のあらゆる楽しみが詰まっています。石畳が続く道を歩けば、やがて辺りに彩り豊かな古い木造家屋が広がります。そこに一歩足を踏み入れると、手作りチョコレートや地元のアート作品、さまざまなオーガニック製品が並びます。一方、ポルヴォー旧市街は、街並み沿いに小川が流れ、季節の移ろいとともに変わりゆく穏やかな雰囲気を醸し出しています。

Text: Yonshil Lee

フィンランドの中世の街に浸る

ポルヴォーの中でも旧市街は自慢の景観地です。川岸に沿ってパステルカラーの木造建築と中世から続く赤い倉庫が並びます。そこに広がる絵のような風景は、世界中の写真家を魅了して止みません。建物の多くが18世紀から19世紀にかけて建てられたこの街は、フィンランドの中でも2番目に古い街となっています。 

今では、かつての古い建物は、住居やかわいいブティック、アートギャラリー、居心地の良いレストランやカフェに生まれ変わりました。とは言っても、それぞれの建物には、中世建築の魅力が残されており、ほかにはない魅力的な雰囲気を漂わせています。骨董品や手作りの特産品、スカンジナビアスタイルのクリスマスデコレーション、フィンランドのスイーツなど数多くの品々は、見て回るだけでも楽しいものです。

Photo: Yonshil Lee

丘の頂上にあるのは、15世紀後半に建てられた至宝、純白のポルヴォー大聖堂。旧市街を散策する際には、ぜひ訪れたいスポットです。1764年に建設された旧市庁舎は、フィンランド最古の市庁舎で、現在はポルヴォーミュージアムとなっています。その隣に建つホルムハウスを訪れると、18世紀後半の富裕な商人家族の暮らしぶりはどうだったのか垣間見ることができます。

フィンランドのアートを体験

現地のアートに関心をお持ちなら、Vanha Kappalaisentaloギャラリーがお勧めです。ポルヴォー旧市街地の中心に位置するこの小さなギャラリーは、明るく居心地のよいインテリアが、18世紀時代の素朴な外観とコントラストを成しています。質の高い選りすぐりのアート作品が展示され、入場料はかかりません。そのまま旧市街を散策すれば、数多くの小さなギャラリーやデザインショップがあり、インスピレーションを得ることができます。

Photo: Yonshil Lee

古い工場を改装して生まれたモダンな美術館、ポルヴォーアートファクトリーでは、現代アートを月替わりで展示しています。現地アートを鑑賞できるだけではなく、この施設には、映画館やコンサート会場、評判の高いランチレストランやチョコレートメーカーまでそろっており、一つ屋根の下ですべてを楽しめます。 

手作りチョコレートからミシュラン星に輝くお食事まで 

フィンランド人の大好物は何と言ってもスイーツ。チョコレートはフィンランドのおいしい文化遺産です。ポルヴォーには、この国最古のチョコレート工場、Brundbergがあります。1871年に小さなベーカリーとして営業を始めたこの店は、現在ではフィンランドでも指折りのスイーツメーカーです。旧市街店は、手作りチョコレート、作りたてのリコリス、食欲をそそるキャラメルタフィーを豊富に取りそろえています。Brunberg工場に隣接する旗艦店は、チョコレート作りの工程を見学したり、大きなパッケージでスイーツを買い込んだりと、スイーツ好きのあらゆる望みを叶えてくれるスポットです。 

フィンランドでは毎年2月5日を祝いますが、この日は、1837年からポルヴォーで暮らしたフィンランドの国民的詩人、ユーハン・ルードヴィーグ・ルーネベリ(1804-1877)の生誕記念日です。この日フィンランド人は、Runebergintorttuと呼ばれるおいしいケーキを味わいます。このケーキは、ルーネベリの妻が初めて作ったと言われており、アーモンド、アラックまたはラムで風味を加え、ラズベリージャムと砂糖衣のリングでデコレーションを施しています。フィンランドでは一般的に1月から2月まで、ポルヴォーでは1年を通じて楽しむことができます。このケーキは、魅力的な骨董品を集めた木造建築のCafé Helmiで味わえるほか、Café Fannyでは、彩り豊かな風景の広がるすてきなサマーテラスで楽しむことができます。

Photo: Yonshil Lee

ポルヴォーは、オーガニック食材通にとってもうれしい場所です。地元のレストランでは、上質なワインやビールとともに、フィンランド料理やスカンジナビア料理、世界各地の味覚が楽しめます。ミシュランのグリーンスターに輝くVårは、菜園で摘んだハーブや近隣の湖で捕れた魚など、生産者から直接食材を調達して、それをモダンなフィンランド料理に使用しています。Vårと同様に、SicaPelleもトレンディーなレストラン。この店は、フィンランドの人気レストラントップ50にも選ばれています。カタツムリ料理で有名なFryysarinrantaは、ポルヴォーを代表する赤い木造家屋で、川沿いに美しいサマーテラスを備えています。グルメの旅の締めくくりには、オールドポルヴォー アイスクリームファクトリーが地元食材で作った、自然の風味豊かなアイスクリームをぜひお試しください。

Photo: Yonshil Lee

季節ごとに美しさを実感

ポルヴォーとその周辺は、夏は緑にあふれ花々が咲き誇る一方で、冬は雪のまばゆい毛布の下に覆われて、まるでマジカルワンダーランドに居るかのごとくその姿を変えていきます。ポルヴォーには、年間を通じてハイキングを楽しめる自然遊歩道や、サイクリングロードがいくつか用意されています。EkuddenとVirvikの自然遊歩道は、市街地の中心部が起点となっているため、ひときわ人気があります。特に木の葉が鮮やかな赤や黄、褐色に染まる秋には、息をのむような北欧の秋を目にすることができます。この光景はフィンランド語でRuskaと呼ばれています。 

冬になると、この小さな中世の街は、おとぎ話の舞台のように、その姿を変えます。きらめく明かりが石畳の路地に灯され、古い家々は降り積もった雪に覆われ、伝統的な衣装に身を包んだ売り子さんが、地元の工芸品や手作りのお菓子を販売します。ポルヴォーには、ヘルシンキに最も近いスキーリゾート、Kokonniemiスキーリゾートもあります。

Photo: Yonshil Lee

春と夏には、カヤックやサップボードをレンタルで利用して、市内を流れるポルヴォー川で水上体験が楽しめます。あるいは地元の人々同様、お酒や挽き立てコーヒーを飲みながらゆっくり過ごしたり、川辺で日差しを楽しんだりするのもいいでしょう。冬にはPorvoonjoki川が凍りつくため、川岸の赤い家々が広がる全景を見渡しながら、アイススケート体験を楽しむこともできます。 

ポルヴォーは、ヘルシンキ中心部から55km東に位置し、ヘルシンキ空港から25kmの距離にあります。バスは、ヘルシンキバスステーション(Kamppi)から1時間おきに出ており、1時間足らずで到着します。


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